アスランの体が勢いよく壁に打ち付けられた。
「貴様――――、どういうつもりだっ!!」
端整な顔を怒りに歪ませ、
アスランの胸倉を掴みそう叫ぶイザークをディアッカは冷ややかな目で見ていた。
「とんだ失態だよね。あんたの命令無視のおかげで」
ロッカールームの壁に寄り掛かっていたディアッカも、口調に苦々しさをにじませる。
アスランは言い返すことも無く、唯 目を逸らした。
さらにイザークが締め上げようとしたところで、ドアが軽い音を立てて開いた。
そして入ってきたニコルが険悪な状況を見て、声を上げた。
「――――何してるんですか!? やめてください、こんなところで!」
それを見てディアッカは面倒くさそうに息を吐いた。
「五機でかかったんだぞ!?
それで仕留められなかった!
――――こんな屈辱があるか!!」
言いながら、イザークは掴んだアスランの胸倉をもう一度壁に叩きつけた。
「だからって、ここでアスランを責めていてもしかたないでしょう!?」
「――――ちっ!!」
舌打ちしてアスランを睨み付けた後、突き落とすように手を離し、イザークは部屋を出ていった。
―――せっかく自分の元に戻ってきたのところへと。
一時の別れ
AA追討を一旦断念し、大きめのスペースデブリの陰で停泊していたヴェサリウスに通信が届いた。
「評議会からの出頭命令ですか?!
そんな・・・!あれをここまでおいつめておきながら!!」
「ヘリオポリスの崩壊の件で、評議会は今頃てんやわんやといったところだろう。
それに様の件もある。まあ、仕方ない。
―――あれはガモフに引き続き追わせよう。
アスランと様をガモフから帰投させろ。
修理が終わり次第、本艦は本国に向かう。」
クルーゼは一人薄く笑った。
「・・イザークどうやらここで一時お別れのようね。」
ヴェサリウスからの帰投通信の後、はイザークにその事を伝えた。
「・・ああ。プラントで待っていてくれ。」
「・・・ええ。」
イザークはこの返事はがそれに答えられないということがわかってしまった。
だが、今度は怒鳴りもせず、唯 唇を重ねた。
「―――オーブはかなり強い姿勢で講義しているようですが・・」
「仕方ないさ、こちらには様もいるのだからな」
そのまましばらくクルーゼとアデスの会話は続いた。
ヴェサリウスから降り、軍事ステーションを離れるシャトルに乗り込んだ。
機内に、先客が居ることにアスランが少なからず驚いた。
軍事ステーションには珍しいスーツ姿のアスランの父、パトリック・ザラだった。
「ご同行させて頂きます、ザラ国防委員長閣下」
「挨拶は無用だ。私はこのシャトルには乗っていない」
まるで念を押すようにアスランの方に視線を移した。
久々に再会した父子には思えない遣り取りがの前を交差していた。
政治的な話が続く中、またパトリックはアスランに念を押した。
そんな親子を見ているのはには辛かった。
だが、その反面客観的にそれをとらえている自分もいた。
「―――我々ももっと本気にならねばならぬのだ。
早く戦いを終わらせるためにはな。」
それはまるで私に向けて言った言葉のようだと、は感じた。
<あとがき>
素っ飛ばし過ぎていてすみません。
ホント続編に間に合わないような気がして・・・。
遅れてもいいのですがあまり遅れすぎていても追いつける余裕がなくなりますから。
話がよく分からない方はアニメでも見返して頂ければ幸いです。
しばらくイザでてこない気が・・・。
エザリアさんは確実にでてくるのだろうけど。