ピピピッ・・・・・
薄暗い夜中の道、彼女は行動に移した。
決して彼とは交わらない道へと――――。
別離
ラクスと再会してから少しして、クルーゼ隊が帰還した。
だが、そこにはイザークの姿はなく、は驚愕する。
エザリアがに息子の無事を知らせてくれるまで悲しみに耐え切れない程であった。
は彼の無事を知り、安堵したが、彼の帰りをもう待つことはできない事に気付いた。
は行かねばならない。本来居るべき場所へ。
彼女は待っていたのだ。彼と過ごせる最後の時を。
あの時、終わりにしたくなかった。
自分の先延ばしが最悪な結果を招いた。
彼に私は別れを告げることも出来ない。
ごめんなさい。勝手なことばかりして・・・。
私は貴方に何もしてあげれなかった。
最後には故郷から持ってきていた小型の立体映像投影機に言葉を残した。
もうこれで彼に会うことはもうないだろう。
私は貴方とは正反対の道を行く。
もう貴方の元には帰らない。
最後にお別れを言えなくて残念だ。と――――。
これをイザークに渡してもらえるようエザリアに取り計らって貰った。
これで私の一生最後の恋は終わりだ。
の瞳に涙が溢れた。
私が貴方と同じ人間・・・・コーディネイターだったら良かったのにね。
「ザラ委員長閣下、私は帰らせていただきます」
「お前は裏切った者達の所へ帰ると言うのか」
「はい。私が此方に居てはプラントにも迷惑が掛かります。
私はオーブの外交官です。此方に居て良いはずもありません」
「・・・それは残念だな。それではシャトルを用意させよう」
「いいえ、其処までして頂くには及びません。
私、一人で大丈夫です。」
「そうもいくまい。送らせよう」
「・・・分かりました。それでは失礼します。」
食えない方だ。どうあっても私をプラントに置いておきたいらしい。
だが、もうそれも限界。
私は人一倍プライドが高いのだ。
もう、私の道は決まったのだ。
邪魔をするというのなら実力行使。
幾ら、私が捨てたいと思っても、無くならない強大な力。
人外の力。私が本気でそれを願った時、跡形も無く惑星一つ位は消滅するだろう。
父を恨む気は無いが、唯の人として暮らしたかった。
彼もその事を分かっているようで怯みを見せ、承諾に応じる。
私は部屋を出ようとして一つ言い忘れたことを口にした。
「彼女・・・還してもらいますよ?ザラ議長閣下」
<あとがき>
結局、イザークに会わずに帰ることになってしまいました。
ヒロインは本気でオーブが裏切ったとは思っていません。
一番、オーブの勢力化に身を置く事が安全だと思っています。
利用されるのもするのも仕方が無い。
だが、他の者を巻き込んだとき、彼女は彼らを敵と見なします。
次はオーブに帰国。
此れほど、相手が出ない夢も珍しいのでは?
私がガンダムという話を恋愛という面で見たくないからかもしれません。
アニメ沿いでなければ違いますが。
*柚姫宛専用掲示板*(夢専用)