しあわせになりたい
しあわせになりたい
あなたとしあわせになりたい
あなたのしあわせになりたい
だからつれてって
遠くまでつれてって
ここじゃないどこかへ
つれてって私を
act02.昔の私、今の私
「悪趣味・・・」
「何故ですか?」
「この曲、私に対しての嫌味にしか聞こえないわ」
「どうしてそうなるのですか?」
「私の昔の曲を此処で流しているからよ」
「良い曲ですよ。私はこの頃の貴女の曲が一番好きです。」
「・・・・・唯の何も知らない子供なだけじゃない」
がデュランダル邸に帰ってくると、ギルバートは自室で音楽を聞いていた。
それものデビュー当時の曲を。
その頃は本当に子供だったと自分でも思う。
私は世界に出れた事が嬉しくて毎日、歌っていた。
鳥の籠だった頃の歌もその時の私には嬉しいものだった。
この曲は本当にメディア化されて直ぐのものだったし、あまり知られていないものだった。
歌手としての活動はウズミに声を掛けられるまでそれは続いていた。
「どうかしましたか?」
「ううん、なんでもないの。気にしないで」
「彼の事でも考えていらしたのですか?」
「っ!!・・・違うわ」
「大丈夫ですか?顔色が悪い」
「え?そう?」
ギルに言われて初めて気づいた。
”再生”を受けていない事に。
そういえば、戦後から1度も受けていない気がする。
自分がどんなに安心仕切っていたかが、分かった。
早めに受けないと大変・・・・・・・・・・。
「大丈夫よ、ギル。それより貴方は大丈夫なの?」
「ええ。・・・・ああ、そうだ。
明日からは新造艦”ミネルバ”の進水式の準備に行かなくてはならなくなりました」
「そう・・・それで?」
「貴女も連れて行きます」
「それでいいの?」
「ええ、もちろん。
貴女はレイの元に居てもらう事になるでしょうが」
「そう」
へぇ、進水式ねえ。
公式の場というものを退いていたものだから、その響きがとても懐かしく感じた。
それでは久しぶりに変装しますか。
まだ、表立って公表してないから、変えやすわね。
ただ、時間がないのが問題ね。
「ど、どうしたのですか?!その格好は!!?」
「え?・・・何って、唯の変装」
「声は同じですが、別人にか見えません」
「あら、でもギルは分かったじゃない」
「当たり前です。では、これからはその格好で動くのですか?」
「そうだよ。あれ?変?」
「いいえ、そんな事はありません」
「そう、なら良かった。改めて宜しく。ギルバート」
一夜掛かって行った変装はこの世の者にしては確かに別人かもしれない。
私ではこれが普通だったから、特に驚く事ではないのだけど。
ただ、薬を飲み続けなくちゃいけないのが面倒なんだけどね。
私の姿を見て、錯乱するギルは見ていてとても面白かった。
滅多に見られないからね彼の錯乱する姿なんて。
の姿が今までより人間らしくなっていてギルバートは驚いたのだった。
彼女の姿は人間とは並外れた容姿を持っていたし、表情も何処かぎこちなかった。
なのに今、目の前にいる彼女は容姿端麗なのは変わらないがとても表情豊かで、
ギルバートは自分に向けられた笑顔に頬が赤くなるのを感じた。
<あとがき>
次回からアニメ沿いに突入します。
ヒロインは自分の存在を世間に隠すために変装をまた、しました。
今回はラクスのような少女を基盤として作ったようです。
ピンクのウェーブがかった髪、紫水晶の瞳。
ただ、大体は1つ三つ編みに編んで、一方の肩に垂れ下がっています。
某アニメのキャラがモデルなのですが、これで分かった方はご連絡ください。
少々、違う事もありますが。ヒントはロボットアニメなのに少女漫画のような内容。
TVアニメではSEEDよりもエロアニメなのかも知れません。
私はちなみに映画のみしか見たことがありません。
次回はギルはお休み頂いてレイの登場です。