私を見つけたのは”彼”ではなかった。
どこかで彼の言った言葉を信じていたのかも知れない。
”何処に行ったって見つけてやる!!お前の居場所は此処しかないんだ!!”
とっても嬉しかったな・・・・・・その言葉。
私は他人に個人として必要とされた事がなかったから、彼の言葉がとても嬉しかった。
でも、冷静になって考えてみると、私はなんて勝手な女なのだろうと自己嫌悪に陥った。
私って、ホントにバカだね・・・・・・・・・・。
act.0 新たなる出会い
「何をしているのでしょうか?」
「え?」
独りになって初めて人から声を掛けられたことに驚いた。
虚ろな意識の中どうにかして、声のした方を振り向いた。
其処には癖だった黒髪を靡かせ、何処かで見た人物で、彼よりも大人の男性がいた。
思い出そうとしたけれど、霧が掛かったように思い出せない。
ううん、・・・何も考えられなくなってきたのかもしれない。
今の私には”自分を守るもの”を何もみにつけていないのだから。
後から考えるとソレがいけなかったのかもしれない。
私は無反応だというのに、目の前の彼はずっと笑みを浮かべている。
それは何処か暖かくて、まるで親しい人との再会を喜んでいるようにも見えた。
だが、私と彼に面識があるはずもなく、どうしてだろうと、考えた。
「此処で何を?」
「別に何も。・・・・・貴方は?」
別に何もなくて、こんなところに長い時間立っているはずは無いのだけれど、
今は他人との接触を避けたくて、素っ気無く答えた。
なのに彼は気を悪くした様子も無く、寧ろ深い笑みが広がったように見えた。
私は彼から視線を外し、元の位置に視線を戻した。
十数分しても彼はまだ、私の隣に居て変える様子など見せないので、率直に聞いてみる。
声を出すなんて事も暫くしてなかったから枯れていたかもしれないが。
すると、まるで彼は私が声を掛けた事が嬉しいのかと聞きたくなるほどの反応を示した。
これはまずったのかも知れないがその時の私にはどうする事も出来なかった。
「貴方を探していた。私と共に来てはくれませんか?」
<あとがき>
はい。フライング小説の始まりです。
読んでくださる方はいるかはわかりませんが、私一人でも更新し続けます。
他のものも更新出来るように!!
名前が一つも出てきていない事に驚き!!
すみませんですな。
ヒロイン視点で出てきた男は議長さんです。
彼はファースト時代からのファンでして、その時の役も少し入っているのかもしれません。
そのまま、似非で続くんで軽くスルーしちゃって下さい。
議長意外が出てくるのは本編に入ってからとなりそうですが、もう暫くお待ち下さい。
それでは感想などはコチラにお願いします。