長い階段を抜けた後、たちはサトツの説明を聞いていた。




「ヌメール湿原 通称”詐欺師の塒


 二次試験会場へはここを通って行かねばなりません」




「この湿原にしかいない珍奇な動物達


 その多くが人間をもあざむいて食料にしようとする狡猾で貪欲な生き物です」



「十分注意してついて来て下さい

 だまされると死にますよ」




それを聞いて皆、息をのんでいた。
そして風が強く吹き、階段へのシャッターが閉まってしまった。




  4.1次試験    3



























サトツの説明はまだ続いていた。
それを受験生は黙って聞いているのがほとんどだが、
の場合ここに嫌気がさしているようであった。


「この湿原の生き物はありとあらゆる方法で獲物をあざむき捕食しようとしています


 標的をだまして食い物にする生物達の 生態系・・・


 詐欺師の塒と呼ばれるゆえんです


 だまされることのないよう注意深く しっかりと私のあとついて来て下さい」


そこでサトツの話は終わり、レオリオが口を開いた。


「おかしなこと言うぜ

 だまされるのがわかっててだまされるわけねーだろ」


レオリオがそうもっともらしい事を言った。
だが、人がもしそれと同じような場面に遭遇いたときちんと対応できるのだろうか。
ほとんどの者ができないであろう。














「ウソだ!!

 そいつはウソをついている!!」


いきなり男が叫びながら出てきた。
男は叫び続ける。



「そいつはニセ者だ!!

 試験官じゃない オレが本当の試験官だ!!」


それを聞いたとたん周りが騒ぎ出した。
混乱しているようだ・・。


「ニセ者!? どういうことだ!?」

「じゃ こいつは一体・・・!?」


この状況で冷静でなければその答えは出ない・・・・。
男の話はまだ続く・・。


「これを見ろ!!」




「ヌメーレ湿原に 生息する 人面猿!!

 人面猿は 新鮮な 人肉を好む

 しかし 手足が細長く 非常に力が弱い

 そこで自ら人に扮し 言葉巧みに人間を湿原に連れ込み

 他の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだ!!

 そいつはハンター試験に 集まった受験生を一網打尽にする気だぞ!!」


男は受験生を納得させるように話を続けた。
だがは男の茶番に機嫌を悪くしていった。


(もう、嫌になるなぁ〜。

 こんな下らない事終わりにしてさ。

 誰か殺ってくれないかしら・・・・。

 もしかして私がしなくちゃいけないのかしら。)


がそう考えていると、いきなりトランプが飛んで行った。
それも2ヶ所に・・。



   さく

 


トランプが自称本物の方に突き刺さった。
ちなみにサトツの方はしっかりその手につかんでいる。
そしてヒソカが口を開いた。


「くっく

 なるほど なるほど」





ヒソカがトランプを投げたのでは何もしなくてよくなったようだ。
はほっとしている。
そのとき何かが動きだした。





      バッ



「キキ」



またトランプが飛んだ。




      ザシュ




ヒソカは今度は人面猿の方を殺した。
また周りが唖然としている中、誰かが口を開いた。





「・・・!! あの猿死んだふりを・・・・・・!?」



「これで決定◆

そっちが本物だね」


(またヒソカ・・・・・。呆

 これ以上面倒事巻き込まないでくれ。)



の心配もよそにヒソカはまだ話し続ける。



「試験管というのは 審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくもの

 我々が目指す ハンターの端くれともあろう者が あの程度の攻撃を防げないわけがないからね」





「ほめ言葉として受けとっておきましょう

 しかし次からはいかなる理由でも私への攻撃は試験管への反逆行為とみなして即失格とします

 よろしいですね」




「はいはい◆」

あまり聞いていないようだ。
だがこのひとまず騒ぎは終わるだろう。



「・・・・・」



 バサバサ


 ガツガツ



「あれが敗者の姿です」



無情にもさっきヒソカの手にとって殺された偽試験管は鳥の餌となっていた。




「・・・・・・・・・・・・・・・・自然の掟とはいえ えぐいもんだぜ」



それを見てレオリオが口を開いた。
普通の感覚のものが見れば誰でもそう思うだろう。
次にサトツが口を開いた。


「私をニセ者扱いして 受験者を混乱させ何人かを連れ去ろうとしたんでしょうな

こうした 命がけのだましあいが日夜おこなわれているわけです

何人かはだまされかけて私を疑ったんじゃありませんか?

それではまいりましょうか      二次試験会場へ」




サトツのその言葉で試験はやっと動き始めた。





























<あとがき>
まだ抜けきっていませんが昨日よりはマシになったので更新!
どんどん変な文になっている気が・・。

てか前中後編でおわらなかった;。


ましな文が書けるようがんばります。

ヒロインもしかして今回話してない!?


PS
 観想いただけると嬉しいです。
 更新速度が上がるかもしれませんよ?